遊ぶ、伝わる、ただ座る。

世界はシンプル。力を抜いて、本音で生きる

小説風に書いてみました。

今日は息抜きに、

 

小説風タッチで、昨日の体験を綴ってみようと思います。

 

最初に言っておきますが、

 

めっさくだらないです!

 

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私は昨日、新宿駅始発の「特急あずさ」の車両に乗った。

 

指定席を取ってある。基本、いつも私は指定席だ。自由席で、見知らぬ人が長時間隣にいるのは、多少なりともストレスになるからだ。

 

私は駅構内にあるドトールで買ったホットコーヒーを片手に、もう片方の手で指定券を確認する。「10号車3A」。私は番号を記憶して、ポケットに券をしまい、指定の席へ向かった。肩にかけたトートバックを席にぶつからないようにしながら、発車前の10号車の中を進む。

 

車両は全体に空いている。早めの時間帯の電車に乗れてよかった。この後の電車だと、夕方の帰宅の時間になり、電車も全体に混んでくるのだ。

 

 

特急あずさには、週に1度ペースで乗っているので、すっかり慣れたもの。座席は3番。そこの手前の時点でその席を確認できたのだが、なんと私の指定のはずの3番Aの席に、見知らぬ男性が座り、雑誌を読んでいるではないか。

 

他にほとんど乗客がいなかったから、その姿は余計に目立った。

 

年齢は50代後半〜60代も半ばに手が届くくらいにも見える。

 

服装は、年齢にふさわしいグレーのスーツ姿で(いや、彼の世代だと「スーツ」というより「背広」という言い方がふさわしい)、靴は黒の革靴。どこか全体にくたびれた印象はあったが、ずんぐりした体型や、一見ふてぶてしい表情、どっかとした、座り方が、そのくたびれた背広とのギャップがあった。

 

私は3番の席の前に来ると、コートのポケットから指定券を再び取り出し、その男性の前でこれ見よがしに、指定席の番号を確認した。当然、番号も、座席も合っている。 

 

私はそこで、座っていた男性と目が合うと共に、一つ驚かされたことがある。

 

それは、なんと彼の読んでいた雑誌というのが「成人男性向け雑誌」、いわゆる「エロ本」の類だったからだ。

 

私の眼下に、突如として身をくねらせる裸の男女の姿が飛び込んで来た。

 

不思議なもので、まったくなんの前置きや心の準備もない状態で、いきなり「女性の裸体」の映像が思考の中に割り込んでくると、ある意味「不意打ち」を食らったかのような感じがして、そこに「エロ」も「グロ」も「性」もなにもないのだ。私の思考は純粋に、おそらく2秒間ほどフリーズしたと思われる。

 

私が来た事にたいしても、彼はその「ふてぶてしい顔」の表情を一つも変えない。そして私の顔をじっと見上げた。

 

私は止まっていた思考を再び取り戻し『そこは私の席ですよ』と、口には出さず、目配せと態度でそれを訴えた。

 

男性は私の顔を見ながらエロ本を閉じ(しかし、しおり代わりなのだろう、指を挟んでいた事を私は見逃さなかった)緩慢な動作で立ち上がり、席から立ち上がった。

 

 

私は即座にぴんときた。

 

時々いるのだ。指定席だと車掌もまず確認に来ないのをいいことに、勝手に座ってしまう輩が。ある意味軽犯罪なのだが、バレたら金を払えばよい、とでも思っているのだろう。

 

そういう輩なのか、席を離れる際にも、一言もない。もし私ならば「すいません」の一言くらい言うだろう。正直その時点で、一言も「詫び」のひとつもないその男性に、かなり印象が悪かった。こちらも今日は色々と煩雑な出来事が多く、心身疲れていたのでなおさら気分が悪かった。

 

男性は、面倒臭そうに立ち上がって、席を避けながらも、その間もやけに私の顔をジロジロと見てくる。

 

ふてぶてしい表情のせいか、不満げな顔つきに見える。その表情でジロジロと顔を覗き込まれると、まるで私に非があり、それを責められているような気がしてしまい、私は再び指定券のチケットを確認した。

 

しかし、私の席は10号車3A。そして、ここはまさしくその現場最前線だ。

 

「なにか?」

 

私もいささかムッとした顔つきと口調で、そう尋ねた。明らかに向こうが、勘違いにしろ、キセルにしろ、私の席に座っていたのだ。それに対して「逆ギレ」とも思わせるあの顔つきと態度。ここで腹を立てないほど、私は聖人君主ではない。

 

彼は私の問いに対して何も答えずに、まるで聞こえなかったかのようにそっと目をそらしただけで、そのまま私の斜め前の席にどかっと腰を下ろした。

 

(なんだあのオッサンは!)

 

虫のいどころはかなり悪いが、ここで彼に怒りをぶつけたところでどうにもならないことは目に見えている。そんな事に無駄な労力を費やすほど、私は暇ではない。

 

私は荷物を起き、座ろうとしたのだが、なんとなくここに座るのがためらわれた。

 

あの腹立たしい男が、今の今までここで、よりによって「エロ本」を読んでいたのだ。私は、私の中の何かが「汚された」かのような錯覚に一瞬陥り、目の前のキヨスクで塩でも買って撒こうかと思ったほどだ。

 

しかし、すぐに気を取り直し、「ただの座席なんだから・・・」と、冷静になって座る。そう、ここは特急あずさの指定席。それ以上でも、それ以下でもない。

 

私はその辺の気持ちの切り替えは早い。電車は定刻通りに発車し、私はまだ熱いドトールのコーヒーを飲みながら、座席をリクライニングにして、くつろいだ。この瞬間に、何も問題はない。日々の精神的修練の賜物だ。私はいついかなる時も、自分の軸を持っていられる。

 

しかし、斜め前に目をやると、先ほどの男性の姿が目に入る、だけならまだしも、彼の読んでいるエロ本の中身までもよく見える。私は視力がいいので、文字こそ読めないがそのモザイク混じりの裸体や、男女の濡れ場がよく見える。

  

気が散る事は否めないが、私も「瞑想家」のはしくれだ。目を閉じてすぐに自分に集中する。仕事のことや、様々な事案があり、ゆっくりと考え事をしたかったのだ。

 

しかし、あずさが立川駅をすぎ、次の八王子へ向かうあたりだった。

 

突如車内に「びりびりびり」と、紙をやぶる音が聞こえた。

 

私の意識はすぐにその音に反応し、その音の発生した方向へ、視線は自然と運ばれた。

 

また、あの男だった。 

 

(な・・・!!) 

 

なんと、特急電車の車内でエロ本を熟読するその男は、エロ本には欠かせない「袋とじ」を、そのずんぐりとした両の手で豪快に破っているのだ! 

 

私は元から言葉を発していたわけではないが、心の奥底から絶句した! 

 

電車の中という公共の場に置いて、これほど大胆に、威風堂々と、エロ本の袋とじを破る男が存在するという事実に、私は度肝を抜かれ、私の数年に渡る「瞑想」は、瞬時にしてこの現実世界に引き戻された。

 

そして、私の記憶は即座に「フラッシュバック」のごとく、過去の出来事が「走馬灯」のように蘇り、脳裏に浮かび上がった。

 

仲間たちと、禁断の袋とじを破いた小学6年生の、あの放課後の夕暮れ・・・

  

近所の本屋で立ち読みしながら、袋とじに指を差し入れ、中身を覗こうとした夏休みの思い出・・・ 

 

なけなしの小遣いで、家から随分と離れた書店まで自転車を走らせ買いに行ったエロ本・・・

 

一人で几帳面に、ハサミで袋とじを切る時のあの甘酸っぱい記憶・・・

 

ハサミもカッターナイフもなく、それでも早く中身が見たくて、手で破いたら、その目的の裸体までも切り裂いてしまったあの秋の夜長の切ない想い・・・ 

 

私の心の中で、エロ本にまつわるありとあらゆる記憶が蘇った。

 

でらべっぴん・・・。投稿写真・・・。スコラ・・・。

 

あの時の空気。あの時の想い。手触りや匂いまでも感じ取れるほど、リアルに、鮮明に、私は思い出してしまった。

 

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今やインターネットが当たり前の時代。クリックひとつで、いとも簡単に、静止画ではなく「動画」として、しかも無修正で閲覧できてしまうという、ある意味「夢の時代」であり、そしてそれは「夢のない時代」でもある。

 

そう、私たちはかつて、いつも届かない夢を見ていたのだ。

 

この時代に、まさかこのような光景を見ることができるとは・・・。

 

私は気がつくと、先ほどまで抱えいえたあの男性への嫌悪感や軽蔑感が、自分の中から消滅して、むしろ感謝と賞賛をしたいくらいの、熱い想いが込み上げていることに気づいた。

 

ちょうどそこで車内販売員が台車を引いてやってきたが、彼は車内販売の女性が横をゆっくりと通り過ぎる時でさえ、堂々と、袋とじの中の、さらに激しく、情熱的な光景を隠そうともせずに、食い入っていた。

 

「ありがとう・・・おじさん・・・」

 

私は心の中でそうつぶやき、斜め後ろから、その禁断の袋とじから、目をそらした。そう、その袋とじの中身を見ることが許されるのは、勇気ある真の男だけだ。当然、彼は勇者で、私は今や傍観者だ。ここで覗き見するほど、私は無粋な男ではない。

 

少年の頃の、純真な想いを取り戻し、車窓からの景色を眺めた。

 

東京郊外の閑静な住宅街に、西日に優しい光が落ちる。西へ西へ。線路を伝って、あずさは走る。夢の面影を引き連れて。

 

 

 

 

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鳥居ミコさんと行く、

11月30日〜12月1日 三峰神社秩父のリトリート!

https://www.reservestock.jp/events/222125 残6名

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大地と繋がり、豊かさと繋がるエネルギー。

「ドラゴンメディテーション伝授会」

11月12日(日)15時〜昼の部。 満席!1名!

https://www.reservestock.jp/events/222131

18時半〜夜の部 満席!

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11月17ー18日の諏訪の「龍と繋がるリトリート」満席 

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「声の解放」  

自分の声を通して、自分解放。声の魔法で変化します。  

感想はこちら!

声の感覚解放! - 遊ぶ、伝わる、ただ座る。 

11月13日。13時〜16時。

https://www.reservestock.jp/events/222493 残3名2名1名!

「Joyful Song Lesson」  

歌のための個人セッション。受付中です。

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歌の動画。YouTubeに貼ってみた。 - 遊ぶ、伝わる、ただ座る。

 

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